
この記事の結論
- 発注ナビは、システム開発・Web制作の発注先を無料で紹介してもらえるマッチングサービスです(発注する側は無料)。
- 良い評判:自分で開発会社を探す手間が省ける/IT発注に詳しくなくても条件のヒアリングを手伝ってもらえる。
- 注意点:紹介後の見積もり・契約交渉は自社で進める/要望が曖昧だと、提案がズレたり多すぎて選べなくなる。
- IT発注で失敗しないコツは「何を・なぜ解決したいか」を発注前に言語化しておくこと。
- 介護施設など現場業務に直結するシステムは、現場の業務棚卸しを済ませてから発注するのが鉄則です。

「業務システムやホームページを外注したいけれど、開発会社の探し方も相場も分からない」。社内にITに詳しい人がいない中小企業や介護施設では、これは自然な悩みです。
この記事では、業務改善コンサルとして介護施設や中小企業のIT導入を外部から見てきた私が、発注ナビの良い評判・悪い評判の両方を整理し、ITに慣れていない発注者が後悔しないための使い方を解説します。情シス担当者や開発会社向けの専門的な解説ではなく、「IT担当がいない経営者」の目線でまとめます。
先に結論: 発注ナビは「開発会社の探し方が分からない」「相見積もりを取りたい」人に向いたサービスです。無料で使えますが、発注前に“何を解決したいか”を言語化できているかで、紹介の精度も満足度も大きく変わります。
判断の根拠にした公的データ
- 経済産業省のDXレポートは、2025年以降に最大12兆円/年、現在の約3倍の経済損失が生じる可能性を示しています(参考:経済産業省 DXレポート)。
- IPAのDX白書2023公開資料では、DXに取り組んでいる企業が69.3%となり、前年度から13.5ポイント増えたと説明されています(参考:IPA DX白書2023 プレス発表)。
- 同じIPA資料では、DXを推進する人材の量について「大幅に不足している」と答えた日本企業が30.6%から49.6%に増加したと示されています(参考:IPA DX白書2023 プレス発表)。
- IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2025」は、組織向けの第1位をランサム攻撃、第2位をサプライチェーンや委託先を狙った攻撃と整理しています(参考:IPA 情報セキュリティ10大脅威 2025)。
- 中小企業庁の2025年版中小企業白書は、中小企業が全企業の99.7%、従業者数の約70%、付加価値額の約53%を占めると整理しています(参考:中小企業庁 2025年版中小企業白書)。
発注ナビとはどんなサービス?
結論:発注ナビは、システム開発やIT制作を依頼したい企業と、対応できる開発会社をつなぐマッチングサービスです。発注経験が少ない企業の候補探しに向きます。
IT発注マッチングサービスの仕組み
発注ナビは、システム開発・Web制作などのIT発注先を紹介してもらえるマッチングサービスです。運営は発注ナビ株式会社(アイティメディアグループ)。流れはシンプルです。
発注ナビを使う流れ
- 「何を作りたいか」「予算感」「希望時期」などの要望を伝える。
- 発注ナビの担当者が、条件に合う開発会社を探して紹介してくれる。
- 紹介された開発会社と打ち合わせ・見積もりを行う。
- 比較して、依頼したい会社と契約する。
自分で多数の開発会社を検索・比較しなくても、条件に合う候補を絞ってもらえるのがポイントです。IT発注の入り口で「誰に聞けばよいか分からない」状態を減らせます。
利用は無料。なぜ無料で使えるのか
発注ナビは、発注する側(依頼者)は無料で使えます。これはマッチングサービスの一般的な仕組みで、紹介を受ける開発会社側が費用を負担するモデルだからです。発注者が紹介料を払うわけではありません。
何を発注できるか
業務システム・Webサイト・アプリ・ECサイト・既存システムの改修など、IT・システム開発に関わる発注に幅広く対応しています。たとえば、介護施設なら「紙で集めている記録をWebフォーム化したい」「Excelで管理している予定表をシステム化したい」といった相談の入口にできます。
発注ナビの良い評判やメリットは何?
結論:候補会社を自力で探す時間を減らせる点、相談しながら整理できる点がメリットです。IT発注に慣れていない中小企業では、最初の比較軸作りに役立ちます。
開発会社を探す手間が省ける
IT発注でいちばん大変なのが「そもそもどの開発会社に声をかければいいか分からない」ことです。発注ナビは条件を伝えれば候補を絞ってくれるため、ゼロから検索する手間がなくなります。
ITに詳しくなくても、要望の整理を手伝ってもらえる
「やりたいことはあるが、それをIT用語でどう伝えればいいか分からない」。この壁は、担当者のヒアリングで埋まります。ITに不慣れな発注者ほど、この支援は助かります。
相見積もりが取りやすい
複数の開発会社を紹介してもらえるため、1社の言い値で決めず、相見積もり(複数の会社から見積もりを取って比べること)で比較できます。IT発注は相場が見えにくいので、これは大きな利点です。
| 観点 | 自分で探す | 発注ナビで探す |
|---|---|---|
| 候補の見つけ方 | 検索して1社ずつ問い合わせ | 条件を伝えれば絞ってもらえる |
| 要望の整理 | 自力でIT用語に翻訳 | 担当者がヒアリングで支援 |
| 相見積もり | 自分で複数社に依頼 | 複数社をまとめて紹介 |
| 手間 | 大きい | 小さい |
| 最終的な見極め | 自社で打ち合わせ | 自社で打ち合わせ(ここは変わらない) |
発注ナビの悪い評判やデメリットは何?
結論:紹介された会社が必ず最適とは限らない点がデメリットです。発注内容が曖昧なままだと、見積もり比較も提案比較もずれやすくなります。
評判記事として、ネガティブな面も隠さず書きます。便利なサービスですが、丸投げで成功するサービスではありません。
紹介後の見積もり・契約交渉は自社で進める
発注ナビがしてくれるのは「条件に合う開発会社の紹介」までです。そこから先の打ち合わせ・見積もり比較・契約交渉は、自社で進める必要があります。紹介された会社の説明を聞き、自社に合うかを判断する工程は残ります。
要望が曖昧だと、提案がズレる・多すぎて選べない
「提案がたくさん来たが、要望とズレたものが混じっていて選ぶのが大変だった」という声があります。これはサービスの欠陥というより、伝える要望の精度の問題です。要望が曖昧なほど、紹介もブレます。
小規模な改修・スポット依頼には大げさなことも
ごく小さな修正だけを頼みたい場合、開発会社の紹介を受けるより、既存の付き合いのある業者に直接依頼するほうが向いている場合もあります。発注ナビは、複数社を比較したい規模の相談で使うほうが向いています。
口コミの読み方について: ネット上の評判は、良いものも悪いものも「その人の体験」です。同じサービスでも、発注内容や要望の伝え方によって結果は変わります。口コミは参考にしつつ、最終判断は自社の打ち合わせ・相見積もりで行ってください。
IT発注で失敗しないためにはどう使う?
結論:依頼前に目的、対象業務、予算感、納期、運用担当者を整理します。発注ナビは候補探しの道具であり、要件整理の代わりにはなりません。
デメリットで挙げた「提案がズレる」「選べない」は、発注前のひと工夫でかなり防げます。IT発注の失敗の多くは、サービスのせいではなく「準備不足」で起こります。
発注前に「何を・なぜ解決したいか」を言語化する
「システムを作りたい」ではなく、「どの業務の・何に困っていて・どうなれば解決か」を言葉にしてから発注します。
「入力・編集・出力」の3つに分けて要件を整理する
伝える要件は、次の3つに分けると開発会社に伝わりやすくなります。
- 入力:どんなデータが、どこから入ってくるか
- 編集:そのデータを、どう加工・計算したいか
- 出力:最終的に、何を・どんな形で出したいか
相見積もりは2〜3社。金額だけで選ばない
紹介された複数社から相見積もりを取り、金額だけでなく「自社の業務をどれだけ理解してくれたか」で選びます。安いだけの会社に頼んで業務に合わないシステムができると、結局やり直しになります。
介護施設がIT発注するときは何に注意する?
結論:職員のIT慣れ、個人情報、請求業務、夜勤やシフト運用を前提に伝えます。一般的な業務システムと同じ説明では、介護現場の制約が抜けやすくなります。
介護施設がIT発注をするときは、発注の前に業務棚卸し(今ある業務を一つずつ書き出して整理すること。属人化の解消)を済ませることが鉄則です。何が属人化しているか・どの業務をシステム化すべきかを整理してから発注すれば、紹介される開発会社とのミスマッチも、作り直しも減ります。
関連記事: 発注の前に読みたい 「属人化とは?解消する5つのステップ」 / 介護施設のIT機器・電話システムの調達方法

発注ナビと他の発注手段は何が違う?
結論:発注ナビは候補探しが速く、知人紹介は信頼性が高く、直接検索は自由度があります。比較するときは、紹介経路より提案内容と運用後の支援を見ます。
IT発注先の探し方は、発注ナビだけではありません。似た選択肢として、他のマッチングサービス、たとえばEMEAO!のような比較サービス、自分でIT企業を検索する方法、地元のIT業者に頼む方法があります。
| 探し方 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 発注ナビ等のマッチング | 条件指定で複数社を絞ってもらえる・無料・要望整理を支援 | 紹介後の交渉は自社で/要望が曖昧だとズレる |
| EMEAO!等の比較サービス | 複数ジャンルの業者比較に使いやすい | IT開発の要件整理は自社側でも準備が必要 |
| 自分でIT企業を検索 | 自由に選べる | 良し悪しの判断が難しく手間がかかる |
| 地元のIT業者に頼む | 対面で相談しやすい | 選択肢が少なく相場が見えにくい |
「開発会社の探し方が分からない」「相見積もりを取りたい」なら、マッチングサービスが向いています。一方、すでに信頼できる業者がいるなら、そこに直接頼むのが早いこともあります。
とくにシステム開発・アプリ開発に絞って業者を探すなら、システム開発に特化して紹介してくれる EMEAO! も選択肢です。発注ナビと同じく相談・紹介は無料なので、両方に相談して提案を見比べるのが確実です。
発注ナビはどんな人に向いている?
結論:IT会社の探し方が分からない人、複数社を比較したい人、最初の相談先を早く作りたい人に向いています。要件が固まっていない場合は業務整理を先に行います。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 社内にITに詳しい人がいない | すでに信頼できる開発会社と付き合いがある |
| 開発会社の探し方が分からない | ごく小規模な改修・スポット対応だけを頼みたい |
| 相見積もりを取って比較したい | 発注したい内容がまだ何も固まっていない |
| 業務システム・Webサイト・アプリの新規開発を考えている | まず業務棚卸しから始めるべき状態 |
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FAQ|発注ナビのよくある質問
Q1. 発注ナビは無料で使えますか?
発注する側(依頼者)の利用は無料です。発注者が紹介料を払う仕組みではありません。実際の開発費用は、契約した開発会社との契約に基づいて発生します。
Q2. 紹介された開発会社と必ず契約しないといけませんか?
いいえ。紹介や見積もりは契約の義務を伴いません。複数社を比較し、納得できなければ断ってかまいません。
Q3. ITにまったく詳しくなくても使えますか?
使えます。担当者が要望のヒアリングを手伝ってくれます。ただし「どの業務の・何に困っているか」だけは、発注する側で言葉にしておく必要があります。ここが曖昧だと紹介の精度が落ちます。
Q4. 小さなホームページ制作でも使えますか?
Web制作にも対応していますが、ごく小規模な制作・改修だけなら、地元業者に直接頼んだほうが早い場合もあります。新規開発や、複数社を比較したい規模の案件で特に向いています。
Q5. 介護施設の業務システムの発注にも使えますか?
使えます。ただし介護現場のシステム化は、紙運用や属人化した業務をそのまま発注すると失敗しやすい領域です。発注の前に業務棚卸しを済ませることを強くおすすめします。
まとめ|発注の前に「業務整理」を
発注ナビは、開発会社を無料で探せて、相見積もりが取りやすいマッチングサービスです。ITに詳しくない発注者でも、担当者のヒアリング支援を受けながら発注先を絞れます。
一方で、紹介後の交渉は自社で進める必要があり、要望が曖昧だと提案がズレます。IT発注の失敗の多くは、サービスのせいではなく準備不足で起こります。
中小企業・介護施設がIT発注をするなら、ポイントはこの2つです。
- 発注前に「どの業務の・何に困っていて・どうなれば解決か」を言語化する(入力・編集・出力の3分割で整理)。
- 介護現場など属人化しやすい職場は、業務棚卸しを済ませてから発注する。
その準備ができていれば、発注ナビは心強い選択肢になります。まずは無料で相談し、どんな開発会社を紹介してもらえるかを確かめてみてください。

IT発注と業務整理をセットで相談したい場合は?
結論:開発会社探しの前に、現場業務、Excel管理、帳票、承認フローを整理します。業務整理と発注準備を分けると、不要な開発費を抑えやすくなります。
「発注先を探す前に、自社の業務をどう説明すればよいか分からない」という場合は、先に業務整理を行うほうが安全です。介護施設や中小企業の現場では、紙・Excel・口頭連絡が混ざっていることが多く、そのまま外注すると要件が崩れます。

著者情報
著者:スガヤン(業務改善コンサル)
中小企業・介護福祉施設の業務改善を支援。現場の業務整理から、ツール選定・IT発注の相談までを手がける。「属人化を解消し、誰でも動かせる仕組みを」を軸に、現場で使えるIT導入を支援しています。
最終更新日:2026年6月11日