
この記事の結論
- 介護施設のIT機器・電話システム調達は「マッチングサービスで複数業者を比較」が最も効率的
- 電話をクラウドPBXに切り替えると、初期費用を抑えつつ「スマホ内線化・転送・録音」ができる
- 発注ナビ・EMEAO! は無料で複数業者から見積もりを取れるIT発注マッチング
- ナイセンクラウド・ビジフォン.com は法人向けクラウドPBXの代表格
- 「どの業者がうちに合うか分からない」まま見積もりに行くと、業者主導で進められて不利になりやすい
この記事はあなたに合っていますか?読み始める前の3択
結論からいうと、介護施設のIT調達は機器単体ではなく、通信、保守、現場の使い方まで含めて比較することが重要です。
| あなたの状態 | おすすめのセクション |
|---|---|
| 🅰️ どこに頼めばいいか分からない | 「調達方法は3つ」+「マッチング2社比較」 |
| 🅱️ 電話システムを新しくしたい | 「クラウドPBX 2選」+「介護施設に効く理由」 |
| 🅲️ 失敗せずに業者を選びたい | 「選ぶ前の整理」+「失敗事例」 |
各サービスの料金・プラン内容は変動します。本記事は2026年5月時点の一般的な整理です。最新情報は各公式サイトで必ず確認してください。
介護施設のIT機器・電話システム、どこから手をつける?
先に答えを言うと、手をつける順番は「電話・パソコン・複合機・回線のうち、今いちばん業務を止めているのはどれか」から決めると迷いません。機器が壊れる前に、動線が詰まっているサインで見直すのが安全です。
「そろそろ電話やパソコンを新しくしたい」と思っても、何から手をつけるべきか迷うものです。
そもそも何が対象になるか
介護施設のIT機器・通信まわりは、おおむね次のように分かれます。
- 電話システム(ビジネスフォン/クラウドPBX)
- パソコン・タブレット(記録入力・事務作業)
- 複合機(印刷・スキャン)
- インターネット回線・Wi-Fi
「古い機器」が業務効率を下げているサイン
機器は壊れるまで使い続けられがちですが、次のような兆候があれば見直しどきです。
- 電話が鳴っても担当者が事務所にいないと受けられない
- 拠点が増えたのに電話の取り次ぎが手作業のまま
- パソコンの動作が遅く、記録入力に時間がかかる
ここまでで分かること: IT機器・電話は「壊れてから」ではなく「業務効率を下げているサイン」で見直す。まずは何が対象になるかを把握しましょう。
介護施設のIT調達方法はどの3つに分かれますか?
調達ルートは「直接ベンダー・地元の代理店・マッチングサービス」の3つです。どこに頼めばいいか決まっていない施設ほど、複数社を一度に比べられるマッチングが損をしにくい入口です。
IT機器・電話システムの調達ルートは、大きく3つあります。
方法1:直接ベンダーに問い合わせる
メーカーや通信事業者に直接問い合わせる方法です。手間は少ないですが、1社だけでは比較ができず割高になりやすいのが弱点です。
方法2:地元の代理店に依頼する
地域の事務機器・通信の代理店に依頼する方法です。訪問対応してもらいやすい反面、その代理店が扱っている商品に提案が偏る傾向があります。
方法3:マッチングサービスで複数業者から見積もりを取る
IT発注マッチングサービスを使い、複数業者から一括で見積もりを取る方法です。無料で比較できるのが最大の利点で、デメリットは問い合わせ後に営業連絡が来ることくらいです。
3つの調達ルート比較
| 調達ルート | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 直接ベンダー | 手間が少ない | 比較できず割高になりやすい |
| 地元の代理店 | 訪問対応してもらいやすい | 扱い商品に提案が偏る |
| マッチングサービス | 無料で複数社を比較できる | 問い合わせ後に営業連絡が来る |
ここまでで分かること: 「どの業者がうちに合うか分からない」段階なら、マッチングサービスで複数業者を比較するのが最も損をしにくい方法です。
IT発注マッチングサービスはどう比較すればいいですか?
比べ方はシンプルで、相談したい範囲で選びます。パソコンやシステムまで幅広いなら発注ナビ、電話システム中心ならEMEAO!で、どちらも施設側は無料です。
代表的なIT発注マッチングサービスを2つ紹介します。どちらも発注者(介護施設側)は無料で使えます。
発注ナビ
「最短で自社に合ったIT製品・システム開発会社が見つかる」をうたうマッチングサービスです。IT製品・システム開発まで対応分野が幅広いのが特徴です。
- 発注者は完全無料
- パソコン・ネットワークからシステム開発まで幅広く相談できる

EMEAO!(エミーオ!)
業者紹介サービスで、ビジネスホン(電話システム)の業者紹介に強いのが特徴です。電話システムの入れ替えを軸に考えているなら相性が良いです。

発注ナビ と EMEAO! の比較
| サービス | 強み | 向いているケース |
|---|---|---|
| 発注ナビ | IT製品・システム開発まで幅広い | パソコン・システムも含めて相談したい |
| EMEAO! | ビジネスホン・通信機器に強い | 電話システムの入れ替えが主目的 |
ここまでで分かること: 幅広くIT全般なら発注ナビ、電話システム中心ならEMEAO!。どちらも無料なので、両方に相談して比較するのも有効です。
目的別に見る向き不向き
ここで大事なのは、発注ナビとEMEAO!を「どちらが上か」で比べないことです。相談したい範囲が違うため、施設側の目的に合わせて使い分ける方が現実的です。
- 発注ナビが向いている施設:パソコン、ネットワーク、業務システム、予約・記録まわりまで含めて幅広く相談したい施設
- EMEAO!が向いている施設:電話システム、ビジネスホン、通信機器の入れ替えを主目的にしている施設
- 両方に相談してよい施設:まだ要件が固まっておらず、電話だけでなく周辺機器も同時に見直したい施設
問い合わせ前には「拠点数」「現在の電話台数」「困っている場面」「いつまでに入れ替えたいか」をメモしておくと、業者側の提案が具体的になります。逆にここが曖昧なまま進むと、価格だけの比較になり、導入後の運用で困るリスクが高くなります。
介護施設のクラウドPBXは何を基準に選ぶべきですか?
選ぶ基準は月額の安さではなく、今の代表番号を引き継げるか・スマホ内線を何台使うか・録音や転送が要るか、の3点で見ます。介護施設は夜勤や複数拠点でオフィスと使い方が違うので、ここを先に固めると後で困りません。

電話システムの入れ替えを考えているなら、まずクラウドPBXを知っておくと選択肢が広がります。
クラウドPBXの基礎
従来のビジネスフォンは、施設に物理的な主装置(PBX。電話の通話をまとめて制御する装置のこと)を置く方式でした。クラウドPBXは、その主装置をインターネット上(クラウド)に置く方式です。
- 初期費用を抑えやすい(物理的な主装置が不要)
- スマホを内線電話として使える(スマホ内線化)
- 転送・録音などの機能をクラウド側で利用できる
ナイセンクラウド
「スマホで03や0120の番号を利用できる」クラウドPBXサービスです。事業規模に応じた複数のプランが用意されています。

ビジフォン.com
ビジネスフォン・オフィス向け電話システムを扱うサービスです。電話機まわりを含めて相談したい場合の選択肢になります。

クラウドPBX と 従来型ビジネスフォンの比較
| 項目 | クラウドPBX | 従来型ビジネスフォン |
|---|---|---|
| 主装置 | クラウド上(物理機器不要) | 施設内に物理設置 |
| 初期費用 | 抑えやすい | 機器・工事費がかかる |
| スマホ内線化 | 対応しやすい | 基本は固定電話中心 |
| 複数拠点の連携 | 拠点をまたいで内線化しやすい | 拠点ごとに設備が必要 |
料金・プラン内容は各社で変わります。具体的な費用は必ず公式サイト・資料請求で確認してください。
ここまでで分かること: 電話システムの刷新なら、まずクラウドPBXを検討する価値あり。ナイセンクラウド・ビジフォン.com はその代表格です。
クラウドPBXを選ぶときの確認項目
ナイセンクラウドやビジフォン.comを検討するときも、単純な月額だけで決めない方が安全です。介護施設では、夜勤・宿直、複数拠点、家族対応、緊急連絡など、一般的なオフィスとは違う使い方が混ざるためです。
- 今使っている代表番号を引き継げるか
- スマホ内線化を何台まで使うか
- 通話録音・転送・時間外アナウンスが必要か
- 複数拠点を内線でつなぐ場合、拠点追加時の費用がどうなるか
- 導入後の設定変更を誰がどこまで対応してくれるか
特に複数施設を運営している法人では、最初の1拠点だけで判断せず、将来追加する事業所まで含めて確認してください。最初は安く見えても、拠点追加や電話番号追加で費用が増える場合があります。
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介護施設にクラウドPBXが効く理由は何ですか?
クラウドPBXが介護施設に効く理由は3つで、夜勤の電話をスマホで受けられること、拠点間の内線が無料になること、録音と転送で家族対応の証跡が残せることです。拠点が多い社会福祉法人ほど、この恩恵は大きく出ます。
クラウドPBXは、特に介護施設と相性が良い理由が3つあります。
理由1:夜勤・宿直の電話対応がスマホでできる
夜間に事務所が無人でも、スマホで施設の代表番号への着信を受けられます。夜勤者の負担を増やさずに、電話対応の体制を整えられます。
理由2:施設間の内線通話が無料になる
複数の施設・事業所を運営している場合、拠点をまたいだ内線通話が無料になります。
理由3:録音・転送で家族対応の証跡が残せる
通話の録音や転送ができるため、家族からの問い合わせやトラブル対応の証跡を残せます。「言った・言わない」を防ぐうえでも有効です。
ここまでで分かること: クラウドPBXは「夜勤対応・拠点間内線・通話録音」で介護施設と好相性。特に複数拠点を運営する社福法人ほど恩恵が大きくなります。
機器やシステムを選ぶ前に何を整理すべきですか?
選ぶ前に整理するのは3つで、今いちばん困っている場面を「誰が・いつ・どの電話で」まで具体的に書き出すこと、業務の流れから逆算すること、導入後に慣れる期間を見込むことです。機器のスペック比べは、その後で十分間に合います。
業者やサービスを選ぶ前に、自施設の状況を整理しておくと失敗が減ります。
今困っていることを書き出す
機器スペックではなく「業務の流れ」から逆算する
「導入すれば終わり」と思わない
ここまでで分かること: 選定の前に「困りごとの書き出し」「業務の流れからの逆算」「導入後の調整前提」を押さえる。機器スペックの比較は、その後です。
見積もりだけで業者を決めるとなぜ失敗しやすいですか?
いちばん安い見積もりに飛びつくと失敗しやすいのは、初期費用が安くても保守やサポートで総額が膨らむからです。金額より「総額の中身」と「うちの夜勤や取り次ぎを理解しようとするか」で見ると外しにくくなります。
調達でよくある失敗が、「一番安い見積もりの業者に決める」ことです。
見積もりが安い業者の落とし穴
初期費用が安くても、保守費用・追加工事費・サポート対応で結局割高になることがあります。「総額でいくらか」「導入後のサポートは何が含まれるか」まで確認してください。
「うちの業務を理解してくれるか」を見る
ここまでで分かること: 業者選びは「安さ」ではなく「総額の透明性」と「自施設の業務を理解しようとするか」で判断します。
機器調達と業務改善はなぜ別タスクとして考えるべきですか?
機器を新しくすることと、業務がスムーズに回ることは別物だからです。最新のクラウドPBXを入れても「誰がどの電話を取るか」が曖昧なままだと、混乱は消えません。機器は手段、目的は業務が回ることだと分けて考えます。
最後に大切な区別をお伝えします。機器を新しくすることと、業務が改善することは、イコールではありません。
機器を新しくしても業務が変わらないと意味がない
最新のクラウドPBXを入れても、「誰がどの電話を取るか」というルールが曖昧なままなら、混乱はなくなりません。機器調達は手段であって、目的は業務がスムーズに回ることです。
機器調達+業務改善を一気通貫で進める
理想は、「電話システムの刷新」と「電話対応・取り次ぎ業務そのものの見直し」を同時に進めることです。機器の専門は業者、業務フローの専門は業務改善コンサル——役割を分けて両方を進めると、効果が最大になります。

ここまでで分かること: 機器調達と業務改善は別タスク。両方を一気通貫で進めると、「機器は新しいのに業務は変わらない」は避けられます。
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一次情報と統計は何を確認すべきですか?
結論からいうと、制度名や金額を断定する前に、公式資料の年度、対象者、補助率、調査時点を確認することが重要です。
根拠としては、厚生労働省の介護サービス施設・事業所調査、総務省の通信利用動向調査、中小企業庁の2026年版中小企業白書、経済産業省のDXレポートを確認します。電話・ネットワーク・端末を別々に発注すると3系統の責任分界点が生まれるため、見積もりは最低2社、比較軸は費用・保守・現場負荷の3点でそろえるのが安全です。
- 厚生労働省 介護サービス施設・事業所調査
- 総務省 通信利用動向調査
- 中小企業庁 2026年版中小企業白書
- 経済産業省 DXレポート
よくある質問は何ですか?
介護施設のIT・電話の調達で、相談のときによく出てくる質問をまとめました。
Q1:発注ナビとEMEAO!、どちらが介護施設向きですか?
Q2:クラウドPBXの初期費用・月額はどれくらいですか?
Q3:介護施設の夜勤・宿直の電話対応は、クラウドPBXで解決できますか?
Q4:複数施設を運営する社会福祉法人にクラウドPBXは向いていますか?
Q5:既存のビジネスフォンからの切り替えは大変ですか?
介護施設のIT調達で最後に守るべき鉄則は何ですか?
最後の鉄則はひとつで、機器をそろえることと業務が回ることを別々に考えることです。調達はマッチングで複数社を比べ、電話はクラウドPBXを軸に、業者は総額の中身で選ぶ――この順番なら大きく外しません。
介護施設のIT機器・電話システム調達の要点を整理します。
- 調達は「直接・代理店・マッチング」の3ルート。迷ったらマッチングで複数社を比較
- IT全般なら発注ナビ、電話システム中心ならEMEAO!(どちらも発注者は無料)
- 電話の刷新はクラウドPBXが有力。ナイセンクラウド・ビジフォン.com が代表格
- クラウドPBXは「夜勤対応・拠点間内線・通話録音」で介護施設と好相性。複数拠点の社福法人ほど効果大
- 業者は「安さ」でなく「総額の透明性」と「業務を理解しようとするか」で選ぶ
- 機器調達と業務改善は別タスク。両方を一気通貫で進めると効果が最大になる
次のステップ:
次に読むべき関連記事は何ですか?
あわせて読むと、機器の調達と業務改善のつながりが見えてきます。
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- 記事5「介護ソフト料金比較」(記録・請求ソフトの選び方)
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この記事を書いた人は誰ですか?
スガヤン(業務改善コンサルタント)
業務改善コンサルタント(社会福祉法人・知的障害者施設の Excel/VBA/GAS 実装を外部から支援した実績多数)が監修しています。記事内の実体験は実際に支援した現場で得たもので、固有名詞・個人情報は匿名化済みです。各サービスの料金・プランは2026年5月時点の一般的な整理であり、最新情報は各公式サイトで必ずご確認ください。
最終更新:2026-06-28
初出:2026-05-20